住宅のリノベーションの種類

中古住宅のリノベーション

リノベーションとは、古くなった家を、現在のライフスタイルに合わせて、暮らしやすい機能と間取りを備えた家に生まれ変わらせることです。日本国内では、戸建て住宅の資産価値は、住宅ローンが終わる頃には、著しく減少してしまうと言われています。その頃には、子育てが終わり、家を建て替えたり、住み替えたりする計画を検討されるご家族もいらっしゃいます。

しかし、高額な資金をつぎ込んで建てた家を建て替えるということは、家計の無駄でもあり、莫大な廃棄物を生み出すことにも繋がります。木造住宅の場合、住宅の構造部は非常に頑丈に造られています。その構造部を活かして、今の家を建てた時よりも、現在のライフスタイルにあった家によみがえらせることができたら、費用を抑えて、快適な家を手に入れることができます。

リノベーションでできること

リノベーション後のダイニング

リノベーションには、構造部だけ残して建て直す方法と、壁と構造部を残す方法があります。どちらの方法であっても、増築や減築もできます。戸建て住宅は、全てが家族の所有物なので、共用部分のあるマンションに比べて、より自由度の高いリノベーションができます。

構造部だけ残すリノベーション

フルリノベーションは、スケルトンリフォームとも言われる構造部だけ残すリノベーションです。土台と柱、梁以外はすべて撤去するので、土台の面積と形状以外は、自由に間取りを計画することがきます。水回りや階段の位置も、以前の家の位置に合わせる必要がありません。

日当たりや風通しを良くし、プライバシーを守れる家にする

フルリノベーションの最も大きな魅力は、窓の自由度です。都市部の住宅地では、家を建てた当時は、周辺の住宅が少なかったのに、現在は、密集地になってしまっているという状況になっている家は少なくありません。その結果、以前は日当たりや風通しが良い上に、外部からの視線が気になることもなかったが、今は昼間でも暗く、風通しが悪い、リビングの窓はカーテンを閉めっぱなしにしているというようなこともあります。

しかし、窓の位置を自由に変えられれば、吹き抜けと組み合わせて、密集地になってしまった敷地に建つ家に、陽射しと風を採り入れ、プライバシーを確保させることができます。

家族構成に合わせた間取りの家にする

子育てに備え、2階建ての家を建てたが、子供が独立していき、広い家を持て余しているというケースあれば、二世帯住宅にする為に、居住面積を増やしたいというケースもあるでしょう。このような場合、減築することも、増築することもできます。

現在のライフスタイルに合う家にする

築年数の古い家は、居室を細かく区切る間取りになっていることが多く、暮らしにくさを感じる間取りになっていることが多くあります。

家族の暮らし方の変化に合わせる

近年は、家にいる時間のほとんどはリビングで過ごすというライフスタイルの家族が増えています。中古住宅を購入して、リノベーションをして、暮らしやすい家にしようと考えている若い家族には、居室が細かく分かれた家は暮らしやすい間取りの家ではありません。リビングとダイニングキッチンを並べて配置したい、玄関に広い収納を設けたい、洗濯室が欲しい…など、それぞれの家族の暮らし方にあった間取りに変えられます。

温熱環境が調う

近年は、省エネ住宅化が進みましたが、長らく日本の家は寒いと言われていました。しかし、リノベーションの際に、夏涼しく、冬暖かい理想的な温熱環境を調えられる住宅にできます。

間取りによる温熱環境の調え方

ここ数十年で、戸建て住宅の冷暖房の方法はずいぶん変わりました。日本では、昔から、暖を採るという考え方で、部屋を暖めてきました。家全体を暖めるのではなく、部屋ごとに暖めるという考え方です。それよりさらに昔は、炬燵や火鉢など、部屋全体を暖めるのではなく、人がいる近くだけ暖めるという方法でした。

しかし、近年は省エネ住宅化が進み、家全体を暖めるという考え方が浸透してきています。部分的に暖める方法と比較すると、人がいない部分まで暖める暖房は、エネルギーの無駄使いなのでは…?と考える人もいます。しかし、現実には、家全体を暖める方が、電気代をはるかに節約できるのです。

断熱・気密性のよる温熱環境の調え方

リノベーションに際して、断熱・気密性を向上させることに加えて、家の中の空間が繋がっている間取りにすることで、家全体を暖められる家にすることができます。その結果、家の中のどの場所に行っても温度差がない理想の温熱環境が調います。

耐震性を高められる

耐震に対する備えは、大地震が発生する度に、行われる被害調査の結果を受け、法改正が進められています。昭和65年以前に建築された住宅のほとんどは、建築基準法に基づく現行の耐震基準を満たしていません。そしてその後も、何度かの法改正が行われています。

リノベーションの際には、十分な耐震性を備えた家にできるので、安心です。

参考サイト 国土交通省 住宅・建築物の耐震化について

リノベーションに必要な注意

リノベーション後のリビング

現在の住宅の状況、敷地と道路との位置関係によっては、思い通りの計画を進められないことがあります。

増築

リノベーションと建て替えを比較すると、建て替えでは、法改正があったため、現在の家と同じサイズの家が建てられない場合があります。リノベーションであれば、同じサイズのまま建直せます。しかし、増築したい場合、道路から敷地内の家を建てる予定の場所までの距離、増築後の建ぺい率と容積率が、法の基準を超えてしまう場合には、増築はできません。

参考資料 ~空き家の活用方法について~ 建築基準法を考える

工法による違い

在来工法の住宅のフルリノベーションには、ほとんど制限なく、間取りを造れます。しかし、ツーバイフォーなど、枠組壁工法の住宅のフルリノベーションは、制限が出てしまいます。枠組壁工法の住宅は、壁で地震の横揺れを受けとめる構造であるため、動かせない壁があります。間取り有線で壁の配置を変えてしまうと、耐震性が低下してしまいます。また、窓を大きくして全面ガラスにしたい、窓のなかった場所に新たに大きな窓を造りたいというようなことは、ほとんどできません。耐力壁としての役割を果たせなくなってしまうからです。その為、ツーバイフォーなど、枠組壁工法の住宅のフルリノベーションは、在来工法の住宅ほど自由に間取りが変えられません。

現在の住宅の状況によって費用の幅が大きく変わる

持ち家の場合には、ホームインスペクションの結果、基礎や柱の耐震補強をしなくてはならない度合いが大きい場合には、その部分にも費用がかかります。中古住宅を購入する場合には、事前にホームインスペクションの結果に応じて、中古住宅の価格と、リノベーションにかかる費用を考えた上で、費用対効果を考えることが大切です。

ハウスメーカーの住宅はリノベーションが難しい

ハウスメーカーの標準的な仕様で建築された住宅の中には、型式適合認定を受けている住宅があります。型式適合認定の住宅は、構造や住宅の様々な基準に対して認定を受けているため、個々の住宅に対しての建築確認申請や検査が簡略化されています。その為、リノベーションに際して、耐震性を判断することが難しく、ハウスメーカーに相談しても、リノベーションを断られてしまうこともあります。中古住宅を購入してリノベーションを計画している場合は、ハウスメーカー製の住宅は避けた方が無難です。

中古住宅を購入して、リノベーションをしようと計画していても、不動産会社には、なかなかリノベーションの相談はできないものです。D-LINEは、中古住宅のリノベーションを計画されているお客様には、不動産とリノベーションの専門スタッフが対応します。そして、物件選びの段階で、お客様のライフスタイルにあったリノベーションが可能かどうかをアドバイスさせていただきます。持ち家のリノベーションの場合にも、ホームインスペクションの段階からお手伝いいたします。

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