物件購入前にインスペクション(建物調査)があると安心だと思いませんか?

「日本の全住宅流通量に占める中古住宅の流通シェアは約13.5%」

上記の数字は欧米の諸国に比べても6分の1程度の低い数字です。
いままで中古住宅が日本で流通しなかった大きな原因は、中古の建物を評価する仕組みがなかった事で、 購入後の改修に係る費用等の不安があるという事で、特に戸建て住宅においては新築偏重の市場 になっていたのです。

実は、「建物の調査」はかなり以前からあるのですが、中古の売買において必ずしも機能していませんでした。 欧米では、中古住宅の売買の際に必ず調査が行われます。この調査の事をインスペクションと言います。 中古住宅を購入する時点で、建物の事を調査し購入後にかかる費用を予め見込んでおく事により、目に見えない不安感がなくなります。

インスペクションの目的 その1 「瑕疵保険加入の為の調査」

インスペクションは誰が行うのでしょうか。不動産会社の担当者?

日本におけるインスペクションの定義はまだ流動的ですが、中古住宅流通の際には瑕疵保険を付保して消費者を保護する 動きがあります。売買の際に瑕疵保険瑕疵保険を付保する為のインスペクションは建築士が行う必要があります。

調査は有料なので、当然調査結果にも責任が及びますが調査資格がある調査士が行った調査結果をもって保険の付保ができますので 消費者はその点については安心して購入を進める事ができます。

【参考】国土交通省インスペクションガイドライン

インスペクションの目的 その2 「後々に係る費用の把握」

中古住宅を購入する際、後々にかかるメンテナンス費用や、リノベーションして自分好みの間取りや内装に改修をするための費用を把握するには、建築会社の担当者に以下の事を確認してもらう必要があります。

  • 建物の内外装設備の状況やメンテナンスに係る費用の算出
  • 建物の状況により消費者が希望するリノベーションに係る費用の算出

上記を確認する事にし、腹積もりをする事により中古購入を安心して進める事ができると言えます。

瑕疵保険付中古住宅~瑕疵保険ってなんでしょう??

国土交通省が認可した瑕疵担保保険法人が保険商品として提供します。
平成21年10月に住宅瑕疵担保履行法が制定され、すべての新築で瑕疵担保責任保険への加入か、供託による資力確保が義務付けになりました。 中古住宅の瑕疵担保責任保険は平成22年6月より、既存住宅流通時に保険を掛ける「売買瑕疵保険」と、引き渡し後のリフォーム時に掛ける「リフォーム瑕疵保険」の2つにわかれます。

「売買瑕疵保険」と「リフォーム瑕疵保険」

売買瑕疵保険は、保険期間が最長5年、リフォーム瑕疵保険は構造・防水工事を行った場合はそれぞれ5年、その他のリフォーム部分は1年の補償になります。 (保険内容の詳細は提供する保険法人により若干異なります。)

築年数や、耐震基準をクリアしているかなどによって瑕疵保険に加入ができない場合があります。 基準に満たない場合でも耐震工事等を行い基準をクリアすれば、加入をする事ができます。

【参考】瑕疵保険協会ホームページ