中古住宅をフルローンで手に入れるには?

一昔前までは住宅を購入するときには頭金を用意するのが通常の流れでした。しかし、現在はフルローン(全ての費用をローンで賄う)で家を購入する方も珍しくありません。中古住宅の購入を検討している方の中にもフルローンで購入しようと考えている方もいるでしょう。

しかし、中古住宅ではフルローンを利用できない場合もあり、注意が必要です。なぜフルローンを利用できないのか理解した上で準備をしておくことが中古住宅購入のポイントなのです。

フルローンとは?

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フルローンとは頭金なしで全ての費用を住宅ローンで賄うことです。昔は頭金を自己資金で用意して他の費用をローンで賄っていたですが、家を購入する年齢が若くなってきたことと、給与や収入が低い方が増えてきたこともあり、フルローンで購入する人の割合が多くなってきました。

フルローンには2つのケースがあります。住宅の建物にかかる費用を全て住宅ローンで賄うというケースと購入にかかる諸費用まで全て住宅ローンで賄うというケースです。住宅購入では諸費用もかなりのお金がかかるので、建物価格よりも多く借りておいて払うことも可能です。

新築と中古住宅でかかる諸費用

新築で物件価格以外にかかる諸費用は以下のようになります。

・保険料

・固定資産税などの税金

・登記費用

・印紙代などの事務手数料

中古住宅で物件価格以外にかかる諸費用は以下のようになります。

・仲介手数料(かからない場合もある)

・保証料(保証人がいない場合)

・保険料

・固定資産税などの税金

・登記費用

・印紙代などの事務手数料

・(必要な場合は)リフォーム費用

見てわかるように中古住宅の方が諸費用でかかる項目が多いです。実際にかかる金額も中古住宅の方が割合として多くなっており、相場としては物件価格の10%ほどがかかると言われています。

中古住宅の購入を検討している方は諸費用が多くかかることを押さえて予算を組んでいかなければ思わぬ出費がかさんでしまい、資金が足りないということにもなりかねないので注意しましょう。

新築とは違う中古住宅の住宅ローン

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現在、新築住宅でフルローンを組むことはそこまで難しくないと言われています。金融機関も慣れているのできちんと審査さえ通れば希望額を融資してくれるでしょう。しかし、中古住宅の場合は少し事情が変わるので解説していきます。

ただ、その前にそもそも住宅ローンは審査を通らなければならず、審査に通らないと住宅ローン自体を組むことができません。そこで、まずは住宅ローンの審査のポイントを押さえておきましょう。

住宅ローンの審査ポイント

住宅ローンの審査で見るポイントは新築でも中古でも変わりません。

・年収

・勤続年数

・健康状態

・年齢

・個人信用情報

これらが主に見るポイントとなります。金融機関によって見るポイントや重視するポイントは変わります。一つの金融機関ではNGだったとしても諦めずに他の金融機関も探してみてください。ローンが組める金融機関が見つかるかもしれません。

住宅ローンは住宅の売買契約を結んだ後に申し込むこととなります。しかし、契約を結んで住宅ローンが落ちるとこれまでの労力が無駄になってしまい買主にとっても売主にとっても良くないため、住宅ローンでは事前審査制度があるのです。

事前審査制度とは住宅ローンの申込前に仮審査を行い、住宅ローンを組めそうかどうかをざっくりと判断してくれる制度です。事前審査が通ったからといって本審査が必ず通るわけではありませんが、精度は高くなるので事前審査は申し込むようにしましょう。事前審査を申し込まないと契約が結べないこともあります。

事前審査は一つの金融機関に絞らなければいけないという決まりはありません。いくつかの金融機関に事前審査を通しておいて、通った金融機関から最終的に申し込む金融機関を決めれば良いのです。

中古住宅の住宅ローン

住宅ローンを組む際には金融機関は担保として購入する住宅に抵当権をつけます。もし、住宅ローンの返済が滞った場合、その住宅を金融機関が売却して返済金に当てることができるという権利です。この担保が新築と中古住宅で違いがあるのです。

新築の場合は建築されたばかりなので、資産価値は全く下がっていません。つまり購入価格=資産価値となるので、購入価格を全て融資してくれます。

中古住宅の場合は築年数や家の状態によって資産価値が大きく変わります。金融機関は独自に物件を査定してその物件の資産価値を決めます。なので、物件の購入価格=資産価値とならないケースが出てくるのです。

金融機関は基本的に担保の資産価値以上の金額は融資しません。つまり、2,000万円で購入した物件でも1,000万円の資産価値しかないと査定された場合、1,000万円までしか借りることが出来ないのです。

資産価値を金融機関が査定して融資額が決まるという点が新築と中古住宅の違いとなります。さらに購入金額=資産価値になったとしても、諸費用の割合が多い中古住宅では諸費用も含めると資産価値を超えてしまうということにもなるので、諸費用は自己資金で用意しなければならないケースも多いのです。特に築年数が経っている住宅の場合は資産価値が低く見積もられやすいので、住宅ローンを組む際には注意しておきましょう。

リフォーム費用はどうする?

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中古住宅購入の時に欠かせないのがリフォーム。スケルトンリフォームといった大規模なリフォーム工事を行う方もいれば、住宅設備の交換など小さいリフォームしか行わない方もいると思います。ただ、どちらにせよ何かしらのリフォームを行う方は多いはずです。

リフォーム費用は細かいリフォームのみでも数万円〜数十万円かかることもあり、一つ一つは少ない費用でも家全体を細かく直していくと結果的に数十万円かかってしまうことも多々あります。

ただでさえフルローンが難しいのにリフォーム費用まで住宅ローンに組み込むことは難しいです。では、全てを自己資金で賄わなければならないのでしょうか。

現在、金融機関ではリフォーム費用向けにリフォームローンを用意しているところが多いです。なので、住宅ローンで賄いきれない場合はリフォームローンも活用しながらリフォーム費用を捻出しましょう。

リフォームローンには担保型と無担保型があり、借入限度額も変わってきます。無担保型は金利も高く、50~500万円程度と上限額も大きいですが、担保なしでリフォーム費用を捻出できるので、住宅ローンと組み合わせて使用しやすい商品となっています。

ローンで払えない中古住宅の諸費用

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上記でもお伝えしましたが、住宅ローンは売買契約が終了した後に申し込みを行い、審査が無事に通れば融資されるお金が振り込まれます。物件費用は住宅ローンが振り込まれた後に支払うのですが、売買契約時や売買契約前に支払うお金もあります。これらのお金は最終的に住宅ローンで借りるお金で賄うとしても支払う時は自己資金で支払う必要があります。しっかりと準備しておきましょう。

仲介手数料

多くの場合は不動産会社の仲介を受けて中古住宅を購入します。その際に、不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります。不動産会社に支払う仲介手数料は上限が決まっており、「売買金額×3%+6万円+消費税」です。3,000万円の物件の場合は約100万円が上限となっています。

仲介手数料は売買契約時に半分、物件費用を支払う時にもう半分を支払うことが多いです。なので、半分は自己資金で支払う必要があります。

手付金

中古住宅の場合、売買契約時に手付金として物件価格の数%〜10%を支払うことが多いです。手付金なので、物件価格の一部となりますが、住宅ローン前に支払うことになるので一時的に自己資金で支払う必要があります。

この手付金はあくまで売主保護のために支払うケースが多いだけで、ルールや規則があるわけではありません。どうしても自己資金が足りなければ交渉をすることも可能です。

印紙代などの事務手数料

住宅のように大きな契約だと契約書を結ぶ際に印紙代として税金を納める必要があります。この印紙代を含めて事務手数料がいくつかかかるのですが、一つ一つの金額は数万円でも合わせると10万円を超える場合もあるので、準備しておきましょう。

まとめ

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今回は中古物件購入に関わる住宅ローンについてご紹介してきました。

せっかく苦労して良い物件を見つけても住宅ローンの融資額が足りなくて物件を購入できなくなったら全てが水の泡です。自己資金を準備する、事前に住宅ローンについて金融機関と相談しておくなどしっかりと準備をした上で進めるようにしましょう。