中古物件だと住宅ローンが組めないって本当?

中古物件を購入するとき、ほとんどの方は新築物件と同様に住宅ローンを組んで購入しようとするでしょう。そんな時にこんな言葉を聞くことがあります。「中古物件だと住宅ローンを組めないらしいよ」

果たして、この言葉は本当なのでしょうか?中古物件だと住宅ローンを組めないのかどうか、住宅ローンの仕組みから今回はご紹介していきます。
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住宅ローンとは?

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そもそも住宅ローンとはなんなのでしょうか?「家を買うためのローンでしょ?」と言われてしまえばそれでおしまいなのですが…

正確に言うと住宅ローンとは「購入する住宅を担保にすることで住宅の購入資金を融資する金融機関のローン商品」となります。

サラリーマンの平均年収は約400万円と言われています。この年収400万円の方の場合、銀行が多額の融資を行うことは実は非常に難しいのです。普通にお金を借りようとすれば、 キャッシングの場合、年収の1/3までの総量規制というのが働くため、100万円ちょっとしか借りることが出来ません。しかし、それだと家を購入するのは難しいのです。

そこで、金融機関は購入する家を担保にすることで、年収400万円でも数千万円を融資するというローン商品を開発します。担保とは「融資が返済されなくなった時に取得できる資産」で万が一、借りた人がローン返済出来なくなった場合にその住宅を売却することで金融機関は融資したお金を回収するのです。

この「担保」があるからこそ、金融機関は貸し倒れのリスクが少なく多くのお金を貸し出す事が出来ているのです。

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住宅ローンはどんな商品?

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現在、住宅ローンは様々な金融機関で商品が開発されています。銀行はもちろん、信用金庫、農協・漁協などでも開発しているので、色々と調べてみましょう。金利や審査基準など様々なので複数比較してみるのがポイントです。

また、住宅金融支援機構という独立行政法人が開発している「フラット35」というローンもあり、他の金融機関とは違う独自の審査方法を持っている機関もあります。

住宅ローンの金利は現在0.5%〜1.0%が多く、他の金融商品と比べてもかなり金利が安く設定されています。また、国としても「住宅ローン減税」という減税制度を設けて積極的に住宅ローンを利用するようにい推進しているのです。

住宅ローンは主に固定金利と変動金利の2パターンに分かれます。固定金利とはずっと金利が変わらない事で、変動金利の場合は何年かごとにその時の国債の金利や日本銀行が出す長期金利などを目安として金利の見直しが行われる金利の事を言います。

固定金利の場合は将来的に日本全体の金利が上がったとしても、金利が上がる事がないので月々の返済額が変わる事がありません。なので、安心して返済できるのです。上記で伝えた「フラット35」は固定金利となっています。

ただし、固定金利の方が変動金利よりも金利が少し高めに設定されており、金利が安くなった場合は変動金利の方が金利が安くなることもあるのです。

中古物件だと住宅ローンを組みにくい?

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住宅ローンについて概要を理解したところで、いよいよ本題に入ります。

中古物件だと住宅ローンを組めないのでしょうか?結論から言うと嘘でもないし本当でもありません。

中古物件向けの住宅ローンを用意している金融機関はたくさんあります。なので、中古物件だから住宅ローンを組むのは無理と言うのは誤りです。しかし、住宅ローンが組めない場合はあります。また、融資額が希望額に届かない場合もあるのです。

担保がポイント

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なぜ、中古物件の場合は住宅ローンが組めない場合があるのでしょうか?これは住宅ローンを組むときに「担保」が必要となるからです。

新築の場合、住宅の購入額と資産評価にそこまで差異があることは少ないので、金融機関も「担保」についてそこまで厳しく審査をしません。つまり、3,000万円の物件を購入しようとして3,000万円の融資を受ける時は「担保」については問題ないのです。(もちろん他に審査項目はいくつもあります)

ただし、中古物件の場合は新築よりも資産価値が下がっており、物件によって下り幅もまちまちです。なので、希望融資額に対して購入する物件の資産価値がどの程度あるかを金融機関は新築よりも厳しく審査します。

例えば1,000万円で物件を購入しようとして1,000万円の住宅ローンを組もうとしても金融機関の担保評価額が300万円だった場合は300万円までしか融資を受けられないケースもあるのです。

昭和56年以前の物件には要注意

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特に、気をつけたいのは昭和56年以前に建てられている物件についてです。昭和56年には建築基準法の改正が行われました。つまり、昭和56年以前に建てられた物件には現在の建築基準法の基準に合わない建物も存在しているのです。

多くの住宅ローンでは「不動産は、建築基準法およびその他法令の定めに合致していることが必要です。」と建築基準法に則っている事を必要条件としています。つまり、住宅ローンを組むことすら出来ない可能性があるのです。

フルローンじゃなければ良い?

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「住宅ローンが組めない場合もある」という事もわかってきましたが、どちらかと言うと「融資額が希望額に届かない」と言う可能性の方が高いです。

つまり、頭金なしで全ての資金をフルローンで賄おうとするとリスクがあると言う事です。この場合は自己資金をある程度用意して足りない分をローンで利用すると良いでしょう。

例えば諸費用や土地も含めて2,000万円の物件を購入する場合、500万円を用意しておけば、融資額が1,500万円でも購入することができるでしょう。また、不安な方は事前に金融機関に相談した上で、どの程度の融資額になりそうか聞いてみるのも良いかもしれません。

実は中古物件の場合は手付金といって、契約時に物件の5%〜10%程度を支払う必要がある事もあります。この場合、住宅ローンを組む前なので、ある程度の自己資金が必要です。諸費用もあるので、どちらにしても自己資金は用意しておく必要があるのです。

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リフォーム費用は住宅ローンに含める?

また、中古物件に特有な費用としてリフォーム費用が挙げられます。中古物件を購入してリフォーム・リノベーションを行おうとする方は少なくないと思いますが、その費用も数十万円〜一千万円以上とかなりの額になってきます。

この場合のリフォーム代は住宅ローンに含めることが出来るのでしょうか?ただでさえ、住宅ローンの希望額に届かないとなると余計に不安になりますよね?

実はリフォームローンの場合は、住宅ローンとは別にリフォームローンというローンを組むことができます。このリフォームローンも各種金融機関が商品を展開しているので確認してみてください。

このリフォームローンの場合は無担保で借りられるところも多いので、もし融資額が物件購入で無くなってしまう場合はリフォームローンを利用するようにしましょう。

中古物件購入にかかる費用

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ここまで、住宅ローンについてご紹介してきました。住宅ローンは基本的に物件価格に沿って融資が行われるのですが、中古物件を購入する場合は他にも様々な諸費用が必要となります。

・仲介手数料

・保証料(保証人がいない場合)

・保険料

・固定資産税などの税金

・登記費用

・印紙代などの事務手数料

これらの諸費用が必要となるのですが、全部合わせると物件価格の6~10%が必要となるケースが多いです。新築よりも諸費用の割合は高くなるのです。

最近では諸費用も含めて組むことが出来る住宅ローンもありますが、住宅ローンを組む前に支払う費用もあるので、手付金と合わせても物件価格の10%〜20%ほどの現金は用意しておいた方が良いでしょう。

まとめ

今回は住宅ローンについてご紹介してきました。

住宅ローンを組めないという事はないのですが、新築よりも組むときに注意が必要です。住宅ローンについては不動産会社や金融機関の方が事情などもわかっているのでより詳しく教えてくれます。不安な方はまず相談してみるようにしてください。


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