人口問題! 日本は移民を受け入れるのか!?

◆D-LINE不動産 不動産豆知識2022年 『江東区・墨田区・中央区・港区・文京区・台東区』

本ブログでも人口減少問題について度々取り上げるのは向こう30年の人口動態が、これからの住宅購入に大きく影響するからです。
今回の記事は、「20年~30年後に日本人が減って家が余りまくる状況を想定して家を買いましょう」ということと、「人口対策としての移民はまだまだ解決策とは言えない」の2点です。

今のままだと日本の人口は確実に減少し、最も低い予測だと、ピーク時の半分になると予測されています。

戦後の人口増加に合わせて、足りない住居を増やしていった住宅政策ですが、住宅の数が世帯数を上回り、家が余る時代になりました。

しかしこれから先日本人が減って、家が余り続けることがほぼ確定になっている今でも新築住宅は売れ続けています。

余った家はそのまま放置でいいのではないか?そういう意見もあるでしょう。
ただ、空き家の問題はかなり深刻で空き家の割合が高くなった町は、治安なども含めて町としての機能を保持できなくなります。
国策としてはこれ以上新築を増やしたくない、中古住宅を活かしてほしいと考えているものの、住宅業界は相変わらず新築依存で「家を買うなら新築がいい」という根拠の薄い幻想を消費者に押し付けているのです。

新築を売り続けたい住宅業界は、人口問題についても甘い見通しにすがります。それが「移民」です。
政府は4月に改正入管法を施行し、外国人労働者の受け入れ拡大に踏み出しました。こういった動きが諸外国のように移民を受け入れれば、人口問題が解決できるという勘違いを生んでいます。

日本は島国なので、諸外国が行ってきたような移民の受け入れについて文化が根付いていないと思います。
面白い記事を見つけたのでご紹介します。

外国人労働者受け入れにあたって日本が注意すべき『6つの過ち』 「このままでは日本の衰退を招く」
https://bunshun.jp/articles/-/11918

記事の6つの過ちのうち、注目したいのが「多文化主義」ではなく「同化主義」というテーマです。移民という政策の難しさを端的に表していると思います。

当たり前ですが、移民を受け入れるというのは都合の良い労働者を外国から受け入れることではありません。
日本人と同じ立ち位置で、ともに国を造る仲間として外国人を受け入れるということです。昔に比べて日本に住む外国人が増えていますが、日本人より立場が下の単純労働者として認識していませんか?これが「隔離」です。

「同化」とは、同僚が元外国人であることを認めるレベルではなく、上司や経営者の立場の人(自分を管理する立場の人)が元外国人であることを認めるということです。
これがどれだけ難しいことなのかは、日本各地で発生している外国人差別の問題を見れば明らかなことです。
少なくとも10年~20年程度で解決できる問題ではないのです。

さて、住宅購入のテーマに戻ります。

「日本人が減っても移民が増えれば、資産価値は維持できるので、新築を買っても問題ない」というのが移民派の意見です。

今のところ移民を受け入れること以外で人口減少問題を解決することができないので移民以外に対案がありません。
それでは移民政策が実現できなかったらどうなるのでしょうか?答えは簡単です。人が集まる街と人がいなくなる街の2極分化が進むのです。

これから家を買う人は、人が集まり続ける街を選ばないといけません。
今回は長くなるので後日改めてご説明しますが、〇〇市・区という単位(広域立地と言います)だけでなく、駅から〇分という単位(狭域立地と言います)が問われる時代がやってきます。

住宅の資産価値は立地です。どれだけ高級仕様の住宅であっても、人が集まらない街にある家には価値がなく、駅から遠い家は売ることはもちろん貸すことも難しくなります。

また、向こう30年を考える場合の住環境の重要テーマは、「高齢・単身世帯の増加」です。3LDK~4LDKを求めるファミリー層が減り続けるのが確定なので新築住宅で想定される子育てのための家はますます資金化が難しくなっていきます。
※単身でも広い家に住めばよいじゃないかという意見もあるかもしれませんが、高齢・単身者が大きな家に住むと、維持・管理だけで大変なので、それほど広い住空間は求められず、快適さよりも機能性が重視される傾向だと思います。

今から家を買う人が、買った家を資金化するのは、15年~20年後のことです。遠い未来のような気がしますが、人口に起因する問題は今わかっていることがほぼ確定事項と言えます。(令和になったからといって、10年程度で日本人が爆発的に増えることは起こり得ないのです)

住まい探しというと、内装や設備などの快適さを重視したくなりますが、最も大切なのは「立地」で、15年~20年後に資金化できる家を買えるかどうかが、ご自身の老後の資金計画に大きな影響を及ぼすことになります。

住宅購入検討の際は、「立地」について慎重に判断されることを強くお勧めします。