【2022年】中古住宅は住宅ローン控除が受けられない?|適用条件の変更や中古マンションの注意点
中古住宅を購入する人は「築年数」や「耐震基準」によって住宅ローン控除が受けられないのではないかと心配になる人は大勢います。結論から言いますと適用条件から「築年数」がなくなり以前より住宅ローン控除が受けやすくなっています。
2022年以降の住宅ローン控除は「1%から0.7%に縮小される控除率」の改正が大きく注目を集めましたが、中古住宅を購入する人にも大きく関係する改正がされました。
そこで今回の記事では、中古住宅の住宅ローン控除の適用条件やリフォームやリノベーションで利用できる減税制度などを詳しく解説します。
【コラムでわかること】
- 住宅ローン控除の内容
- 中古住宅の住宅ローン控除の適用条件
- 住宅ローンを受けるための手続き方法
- リフォームやリノベーションで利用できる減税制度
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【2022年】中古住宅の住宅ローン控除の適用条件が改正
2021年12月に住宅ローン控除の改正案が閣議決定されました。これにより、2022年以降に新築住宅や中古住宅を購入する人は改正後の住宅ローン控除を確認する必要があります。
今回の改正では、中古住宅の適用条件は緩和しています。そのため、中古住宅の住宅ローン控除が適用になる対象は大きく増える見込みです。
中古住宅の住宅ローン控除とは?
【中古住宅の住宅ローン控除】
住宅の種類 | 借入限度額 | 控除期間 | 最大控除額 |
認定住宅|ZEH住宅|省エネ住宅 | 3,000万円 | 10年間 | 210万円 |
その他の住宅 | 2,000万円 | 10年間 | 140万円 |
上記のように物件の性能によって対象になる借入限度額が異なるため最大控除額も変わります。また、住宅ローン控除は「年末の住宅ローン残高×0.7%」が「所得税」から10年間控除されます。
つまり「住宅ローン残高2,000万円×0.7%=14万円」「14万円×10年間=140万円」という計算になります。
【改正前】中古住宅の住宅ローン控除適用条件
最初に改正前の住宅ローン控除の内容を確認してみましょう。以前の内容を見て勘違いしないことが大切です。
【改正前 中古住宅の住宅ローン控除の条件】
- 木造住宅「築年数20年以内」
- マンションなどの耐火建築物は「築年数25年以内」
- 所得金額「3,000万円以下」
- 返済期間「10年以上」
- 床面積「50㎡以上」
【築年数を超えた場合に必要になる証明書】
- 耐震基準適合証明書
- 既存住宅性能評価書
- 既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約の付保証明書
改正前と改正後で重要な違いは「築年数」です。では、2022年以降の中古住宅の適用条件を確認してみましょう。
【改正後】中古住宅の住宅ローン控除適用条件
【改正後 中古住宅の住宅ローン控除の条件】
- 築年数の制限なし
- 新耐震基準に適合している住宅であること(昭和57年1月1日以降の住宅)
- 所得金額「2,000万円以下」
- 返済期間「10年以上」
- 床面積「50㎡以上」
中古住宅の築年数制限なし
築年数が木造住宅などであれば「20年以内」やマンションなら「25年以内」という制限がなくなりました。
今後は、昭和57年1月1日以降の新耐震基準に適合している住宅であれば住宅ローン控除の対象となります。築年数の制限がなくなることで中古住宅の住宅ローン控除が受けやすくなりましたね。
床面積「50㎡以上」マンションは内側面積
住宅ローン控除の対象になるためには床面積「50㎡以上」が条件になります。戸建てであれば50㎡以上の住宅が多くなりますが、マンションの場合50㎡以下の物件も多いので注意が必要です。
また、対象になる床面積は「登記簿の面積」になり、マンションであれば「壁の内側の面積」になります。注意点として、広告やチラシの表示方法には「壁の中心から測る床面積」と「壁の内側から測る床面積」の2種類あることです。
マンションの表示方法が「壁の中心」であれば登記簿上の床面積より大きくなります。そのため、ギリギリ50㎡以上の物件を購入したが登記簿上は49㎡になっており住宅ローン控除が受けられないという恐れもあります。後から後悔しないためにも事前に登記簿の床面積を確認することが大切です。
所得制限2,000万円以下
住宅ローン控除を受けられる所得金額が「3,000万円→2,000万円 」と縮小されました。注意点として所得は給料以外にも株の利益なども含まれるということです。会社からの給料以外にも利益を得ている方は合計所得を確認しましょう。
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住宅ローン控除を受け取るまでの流れ
住宅ローン控除を受けるためには入居の「翌年2月16日~3月15日」までに所轄の「税務署」に「確定申告」する必要がります。
申告後、約1カ月後に「所得税」の控除額が指定口座に振り込まれます。また「所得税」で控除しきれなかった場合には「住民税」からも一部控除を受けることができます。
しかし「住民税」の控除は振り込まれずに、控除された住民税が給料から引かれることになるので注意しましょう。
住宅ローン控除を受けるための必要書類は?
必要書類 | 取得方法 |
確定申告書 | 国税庁のHPまたは税務署 |
本人確認書類 | 「マイナンバーカード」「運転免許証」「パスポート」など |
登記事項証明書 | 法務局で取得 |
売買契約書 | 住宅を契約する際に取得 |
源泉徴収票 | サラリーマンであれば勤務先 |
残高証明書 | 住宅ローンを契約した銀行 |
住宅借入金等特別控除額の計算明細書 | 国税庁のHPまたは税務署 |
その他 | 「認定住宅」「新耐震基準に適合している住宅」の場合には証明書が必要 |
リフォームやリノベーションで受けられる減税制度
「住宅ローン控除」控除率0.7%を10年間
中古住宅を購入してリフォームやリノベーションしようと考える人も多くいます。中古住宅購入だけではなくリフォーム費用でも住宅ローン控除を受けることができます。
【対象になるリフォーム工事】
- 増築、改築、大規模修繕、大規模な模様替え
- マンションの専有部分の床、階段や壁の半分以上を修繕、模様替え
- 居室、キッチン、浴室、トイレ、洗面所、玄関、床や壁におこなう修繕工事
- 耐震改修工事
- バリアフリー改修工事
- 省エネ改修工事
- 多世帯同居改修工事
- 長期優良住宅化改修工事
上記のリフォーム費用が「100万円以上」ローンの返済期間が「10年以上」などの条件があります。
参照サイト①:国税庁:借入金を利用してバリアフリー改修工事をした場合
参照サイト②:国税庁:借入金を利用して省エネ改修工事をした場合
参照サイト③:国税庁:借入金を利用して多世帯同居改修工事をした場合
「既存住宅の特定リフォームによる減税」控除率10%
ローンの有無に関係なく特定のリフォーム工事をした場合に減税制度を受けることができます。
注意点として、実際にかかったリフォーム費用ではなく国土交通省が定めた「標準的工事費用」で計算します。
リフォーム内容 | 対象になる限度額 | 控除率 |
耐震 | 250万円 | 10% |
バリアフリー | 200万円 | 10% |
省エネ | 250万円(※350万円) | 10% |
三世代同居対応 | 250万円 | 10% |
長期優良住宅化
(耐震+省エネ+耐久性) |
500万円(※600万円) | 10% |
長期優良住宅化
(耐震または省エネ+耐久性) |
250万円(※350万円) | 10% |
※太陽光発電設置の場合
参照サイト:令和4年度税制改正大綱
「住宅取得資金等贈与の特例」非課税最大1,000万円
「住宅取得資金等贈与の特例」とは住宅購入のための贈与であれば最大で1,000万円まで非課税になる制度です。2021年末に終了予定でしたが、改正案によって2023年末まで延長されることになりました。
住宅の性能 | 非課税の限度額 |
耐震、省エネまたはバリアフリーの住宅 | 1,000万円 |
上記以外の住宅 | 500万円 |
【住宅取得資金贈与の条件】
- 贈与者は直系卑属(両親や祖父母)
- 18歳以上
- 合計所得が「2,000万円以下」
- 床面積が「40㎡以上240㎡以下」かつ「2分の1以上が居住スペース」
- 中古住宅の場合「新耐震基準適合」
注意点として、非課税枠内での贈与であれば税金はかかりませんが所轄の税務署への申告は必要です。
参照サイト(2022年の改正内容):令和4年度税制改正大綱
参照サイト:国税庁 住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
まとめ
中古住宅の住宅ローン控除の適用条件から「築年数」がなくなったことで住宅ローン控除が受けやすくなりました。
ただし、変わらずに「床面積50㎡以上」などの適用条件はあるので購入してから「住宅ローン控除が受けられない!」と後悔しないためにも、中古住宅の売買に詳しい不動産会社に相談してみてはいかがでしょうか?
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