中古マンションは価格交渉できる?交渉のタイミングや値引き額相場・失敗しないためのコツを解説

中古マンションの価格交渉

中古マンションの購入時に「値引きなどの価格交渉」はできるのか、多くのお客様から聞かれます。今回は中古マンションの価格交渉のコツや値引き額の相場はあるのかなど、よく聞かれるポイントについて詳しく解説します。不動産のプロの目線で、買い手も売り手も不利益とならない、上手な価格交渉の考え方についてお話しますので、ぜひ参考にしてください。

 


コラムのポイント
・中古マンション・新築マンション購入時の価格交渉は可能か、値引き額の相場などを解説します。
・値引き交渉のタイミングや値引き交渉を成功させるポイントが分かります。


 

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中古マンションは値引きなどの価格交渉は可能?

中古マンション

中古マンションの価格交渉(値引き交渉)は、売主の状況次第で可能です。

新築マンションと違って、中古マンションは売主が売り出し価格を決められ、販売期間も売主の希望や状況によるところが大きいため、売主次第で、新築よりも価格交渉の余地があります。

逆に、中古マンションでも、不動産会社など法人が売主になっている買取再販物件は、長期間売れ残っているなど、売り急ぐ理由がなければ価格交渉には応じてもらいにくい傾向があります。

※あくまで一般的な傾向であり、不動産会社や物件によって値引き交渉ができるかどうかは異なります。

 

・新築マンションは値引き交渉できる?

新築マンションの場合は、販売予定(建築中)のマンションの値引き交渉は難しい傾向がありますが、建築済みマンションなら値引き交渉の余地はあります。

新築マンションでも、竣工してから期間が経過しているほど、値引き交渉がしやすくなります。また、決算期なども考慮して、例えば3月決算の会社なら2月中の購入を条件に値引き交渉する手もあります。

ただし、全ての不動産会社が値引き交渉に応じてくれるわけではありませんし、マンションの販売状況や経営方針によって変わってきます。

 

値引き額の相場はある?

マンションの値引き

「不動産は、価格何パーセントぐらい価格交渉出来るものですか?」お客様からよく聞かれる質問です。

例えば、売り物件価格が6480万円のものと2480万円のものだと価格帯が明らかに違います。

ネットで見かける相場ですが、もし仮に物件価格の3%を価格交渉の目安だとした場合、

  • 6480万円の物件の場合、値引き額相場は約200万円
  • 2480万円の物件の場合、値引き額相場は約75万円

ということになりますが、実際の取引の現場はどうなっているかといえば、「価格の○%交渉できる」というような常識はありませんし、このような考え方を我々はしません。
6480万円の物件は30万円の価格交渉にしか応じてくれないケースもあれば、2480万円の物件は280万円の価格交渉に成功するケースもあるでしょう。

つまり、売値の何パーセントという考えはほとんど意味をなさないことになります。あくまで、売主の状況や情勢などによって変わるものと考えてください。

 

マンション購入で価格交渉のタイミングは?

値引き交渉

不動産価格の本質は、需要と供給で決まり、日々変わっていきます。不動産価格は、周辺の相場、過去の成約事例、現在類似物件の在庫の数、売主様の状況、タイミング、日本経済、世界情勢等によって変化します。

その中でも特に、「売主様の状況がどうか」、そして「タイミング」で価格交渉は大きく変わると経験上思います。

現在の販売状況がどうなっているのか、つまり

  • ・いつから売りに出ているのか
  • ・売主が売却したい理由は何か
  • ・現時点でどのぐらいの方が内見に来ているのか

などを確認して、相手の実際の原状を把握し、値引き交渉できるのか、タイミングはいつが良いか、どれくらいの値引き額にすべきか、を考えることがポイントになります。

 

・新生活など住宅購入が集中する時期は値引きしにくい

2月や3月など、新生活に向けて住宅購入が多くなる時期は、物件に購入希望者が多く集まりやすいので、より良い条件で買ってくれる人が契約されやすく、一般的に値引き交渉が難しくなります。

逆に、1月や8月は不動産が動きにくい時期とされているので、交渉はしやすいと言われています。※物件ごと、売主ごとに状況は異なるので絶対ではありません。

 

値引き交渉でよくある失敗

次に、中古マンションの価格交渉でよくある失敗を紹介します。

・はじめから値引き額を多くしすぎてしまう

価格交渉は、安ければ安いほどよいのでしょうか?

「購入希望価格は低めから言わないと下がらない」と思って、自分勝手で無謀な金額をいうお客様がいます。価格交渉はやってみないとわからないという事は否めませんが、売主の心情を踏みにじるような予想外の金額をいきなり提示すると、「そんなに失礼な金額を提示する人には売りたくない!」と価格交渉どころか、それ自体で破談になるケースもよくあります。

売却する物件が売り手にとってたくさんの思い出が詰まったマイホームだとすると、安く買いたたかれているようで面白いはずがありません。

買い手としては、少しでも安く買いたいというのは当然なのですが、闇雲に買いたい金額を言うのではなく、直近の類似成約事例、その時の周辺相場とのかい離や、周辺の売り物件の流通量、現在の販売状況(売却理由、売却期間、現在の引き合い状況)等を総合的に考慮した上で、決めるのが良いと判断します。

なかなか普段取引の慣れていない消費者の方がここまで調べるのは難しいので、実際には一緒に見ている担当の営業マンとよく相談してプロにお任せをした方が良いかと思います。

 

・そもそも値引き交渉の余地がなかった

もともと、周辺の相場よりも低く、ギリギリまで値下げして販売しているような物件は、はじめから値引き交渉の余地がないので値引きは難しくなります。
売主の中には、早期売却のためにはじめから低価格で設定して販売している方もいます。

 

中古マンション価格交渉で失敗しないコツ

・価格交渉する前に、売主の状況を正確に把握する(リサーチ)

価格交渉は、その時のタイミングなど売り手の状況に大きく左右されます。売りに出して間もない時に価格交渉しても、売り手側には「もっと良い条件での買い手が現れるかもしれない」という心情があるため、値引きは成功しにくいでしょう。

逆に、売り出してから半年かけてようやく購入希望者が現れたのなら、価格交渉に応じるケースもあります。

つまり、売り手が今どういう状況なのかが大きなポイントとなります。

  • ① 金銭的・時期的に余裕があり、売り急ぐ必要がない場合
  • ② 金銭的・時期的に余裕なく、早く物件を売ろうとしている場合

まず①の場合は、売主は売り急ぐ必要がありません。価格設定を高めにしておいて、購入希望者が現れるまでじっくり待つことが出来るため、当然価格交渉は難しくなります。

一方、②の場合(特に住み替え等の事情による場合)は、売主は価格設定を低めにして出来るだけ早く購入者を見つけようとし、場合によっては値引き交渉にも短時間で応じてもらえる可能性があります。

 

中古マンションの価格交渉で押さえておきたいポイント

これまでの解説を踏まえて、価格交渉の際には下記の2点は最低限押さえておきましょう!

・売り手の売却理由

売主が物件を売却したい事情などが分かると、値引き交渉を進めやすくなることがあります。例えば、

  • ・売却して得た利益を住み替えの資金にしたい
  • ・住宅ローンが残っているので売却金で完済したい

このように、売主が住み替えで売却と新居購入のスケジュールを調整したい場合や、なるべく早く売却したい場合は、値引き交渉に応じてもらいやすい傾向があります。

逆に、ローン残債がなく、既に新居の購入が終わっている売主は、売却活動に時間をかけられるので、希望の価格で買ってくれる人を待つことができますよね。このような状況なら、値引き交渉に応じてもらえる可能性は低いでしょう。

 

・物件の販売期間

物件になかなか買い手がつかない状況の場合、値引き交渉に応じてくれる場合があります。
中古不動産の取引は、多くの場合3ヶ月間の媒介契約で仲介会社に売却活動を依頼します。
3ヶ月経過した時点で、契約更新するかどうか、仲介会社を変えるのかどうかなどを検討する際、不動産会社から売主に価格の見直しを提案することがあります。

希望物件の売り出されてからの期間を調べて、3ヶ月以上経っている場合は、売主の状況によっては値引き交渉に応じてくれる可能性があります。

 

・周辺相場や類似成約事例を調べる

値引き交渉の際の値引き額は、前述のとおり決まった相場というものはありませんが、値引きの希望を決める基準として、周辺の似た条件の物件の価格相場や、実際の類似成約事例を参考にする方法があります。

これらの相場は不動産会社に尋ねれば教えてくれます。周辺の相場と希望物件の価格を比較して高めなら、その旨を伝えて、より相場に近い価格の値引き交渉をします。売主側に根拠を示すことで納得してくれることもあります。

 

【成功のコツ】買主側の立場になってくれる不動産会社、担当者を選ぼう

不動産の価格交渉は、やみくもに値引きや指値金額を決めるのではなく、あなたの味方になってくれる担当者取引状況や周辺成約事例等を調べてもらった上、交渉に臨むことが成功のコツです。

担当者によっても随分価格が変わるケースもありますので、不動産の担当者は家探しし始めた際に事前に選んでおきましょう!

また、売主には売り手の仲介業者が付いていて、売却の相談をした際に取引相場をきちんと教えてもらっています。いつまでに売却しなければならないのか、ある程度の想定期間の中で、仲介業者より想定成約価格を聞き、販売戦略を一緒に決めます。

例えば、

  • 「過去の成約事例を見ると、○○万円になりそうですが、売却期間に余裕があるので、少し高めから出して様子を見てみましょう!」
  • 「過去の最高単価と同じ価格で売り出してみて、様子を見ながら下げてみましょう!」

などの販売戦略です。

このように、売り手には相場をきちんと教えてくれる人がいますが、買い手側にはきちんと教えてくれる人がいないことが多いのが現状です。

一般的に、買い手についた仲介会社は、買い手が内覧する物件を全部査定する習慣はほぼありません。買い手の仲介は成約すれば手数料が入りますが、買い手が満足するまで割安で買えることに積極的に動いてくれるところは残念ながら少ないのです。

もっとひどい事情を言ってしまえば、一見さんで知識のない顧客には、不動産会社からすると情報格差を活かしてうまいこと成約させてしまった方が楽なので、お客様にきちんと相場等をお教えしようとする気持ちは生まれないのです。

買い手の仲介業者からすれば、価格が下がれば、自分の手数料も下がるだけなのです。
結果的に、買い手は無防備な状態で判断を迫られており、これでは市場で食いものにされやすい弱者と言えるでしょう。

つまり、何の知識武装もすることなく、不動産ポータルサイトに「広告」を出している売主側の仲介業者に行ってしまっては、「相場」より高く買ってしまう事にもなりかねません。
そこで、あなたの味方になってくれる専門家(エージェント)と家探しをするという事が非常に大切になってくるのです。

 

D-LINEは買い手側の立場に立って利益のためにサポートします

弊社では、内見して「買っても良いかも・・・」という物件に出遭った段階で、買付申込みをする前に、棟内マンション過去の成約事例、周辺の類似成約事例、周辺の現在の売出し状況に鑑み、具体的に価格の妥当性の検証を行っています。

具体的にはこのようなお手伝いをしております。

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こういうプロセスを踏んでいけば、高値買いしてしまうリスクもかなり減ります。
なんとなく自己判断で家探しをするのではなく、良いエージェントと一緒に探していく。そんなお住まい探しのかたちを提案します!

 

まとめ

中古マンションなどの不動産購入時の価格交渉は「売主様の状況」と「タイミング」が重要です。値引き額のパーセンテージや相場にこだわり、安く買おうという気持ちだけが先走ると交渉がうまくいかない原因になります。

値引き交渉成功のコツは、買い手側の利益を考え、味方になってくれる、信頼できる不動産会社を選ぶことです。売主や周辺相場、日本・世界の情勢なども踏まえて、総合的に、なおかつ物件別に値引き交渉ができるか、交渉のタイミングはいつか、値引き額はいくらが妥当か、などを判断してくれる担当者に出会うことが、満足の行く中古物件購入の秘訣と言えるでしょう。

 

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