瓦葺、かわらぶき、登記簿上の表記の違いについて!

◆D-LINE不動産 不動産豆知識2021年 『江東区・墨田区・中央区・港区』

不動産の登記記録(登記簿)を見ていた際に、ある建物は「構造:木造瓦葺」と記載してある一方で、別の建物は「構造:木造かわらぶき」となっていることに気が付きました。
「瓦葺」の部分が、漢字による記載と、平仮名による記載で違っています。

不動産の登記記録の記載方法は、「不動産登記法」や「不動産登記規則」などで細かく規定されています。

そして、平成17年の法改正の際に、「瓦」や「葺」という漢字は常用漢字ではない、という理由から、登記の表記が「かわら」、「ぶき」とするように変更されたのです。

つまり、登記簿を見て「瓦葺」と記載してあれば古い建物、「かわらぶき」となっていれば比較的新しい建物ということが想像つくようになるのです。
(とは言っても、登記簿には新築年月日がズバリ書いてあるので、そんなところで判断する必要はまったくないのですが。)

常用漢字について「葺」はなんとなく分かる気もしますが、「瓦」が常用漢字ではないことが驚きでした。

他にも、「取毀し(とりこわし)」という表記が「取壊し」という表記に改められました。
これは登記の際にしか使うことがなさそうなので、仕方ないのかなとも思います。

登記記録(登記簿)は、不動産についての概要を公示することにその意義がありますので、万人にとってわかり易いものである必要があります。
公示はされているが見ても意味がわからないものでは、役に立ちません。
時代に合わせた表記の変化というのも必要なのかもしれません。

ただ、表記の調整はできても、権利の状況や意味については、やはり専門知識をもって見ないと理解は難しいかと思います。

購入する際にリスクはないのか、購入した後もきちんと自分の名義に変更できるのか、など見極める必要があります。

実際に不動産を購入する際には、そういった権利状態についても宅地建物取引士から「重要事項説明」として詳細を聞くことになります。