不動産のプロが注目する中古住宅(一戸建て)購入時のチェックポイント トップ3 !?
◆D-LINE不動産 不動産豆知識2021年 『江東区・墨田区・中央区・港区』
物件内見の際にどういったことを確認されるでしょうか。
明るさ(日当たり)、広さ、クロス・床の汚れ具合、設備の状態…
多くの方は実際に住むことを想定して内見されると思います。
今回は住宅性能面で戸建て住宅を内見する際にチェックしたいことを3つご紹介します。
参考にしてください。
第3位 床下・小屋裏点検口の有無
戸建て住宅を内見する際にチェックしたいことTOP3の第3位は「床下・小屋裏点検口の有無」です。
点検口がないと住宅をメンテナンスする際に困ります。
床下へ入る経路がないと、配管の水漏れなどに気付くことができないですし万が一、シロアリなどが発生した場合は結局どこかに点検口を設置しなければならなくなります。
小屋裏へのアクセスができない場合も同じで、雨漏れの発見が遅れてしまいます。
中古住宅を安心・安全に取引するために既存住宅売買瑕疵保険という制度が設けられているのですが、床下・小屋裏点検口がないと瑕疵保険に加入できません。
床下・小屋裏点検口は住宅にないと困るものなのです。
床下点検口は床下収納庫の有無と1階に和室があるかで判断します。
多くの家で台所に床下収納庫が設置されています。
この収納庫を外すとそこから床下へアクセスすることができます。
最近の住宅だと台所ではなく脱衣室に設置されているケースも見られます。
また、3階建てで1階に台所も浴室もない場合は、階段下収納の床に点検口がある場合もあります。
小屋裏点検口は最上階の収納の天井に設置されているケースが多いです。
点検口が設置されていれば見ればわかるのですが、少し古い家だと収納の天井にべニアを置いているだけという状況も良くあります。
下から棒のようなもので突いて簡単に浮き上がればそこが小屋裏点検口です。
第2位 基礎・外壁のひび割れ
戸建て住宅を内見する際にチェックしたいことTOP3の第3位は「基礎・外壁のひび割れ」です。
内見の際に建物内部ばかり目が行きがちですが、外周部のチェックも重要です。
まずは基礎のひび割れです。
基礎のひび割れは比較的良く見られる劣化事象です。
安くて簡単に補修できる場合が多いので、ひび割れがある=欠陥住宅という判断ではないのでご注意ください。
基礎のひび割れが見つかったらひび割れ箇所を図面にメモして写真も撮っておきます。
購入判断を行う前にリフォーム会社・工務店にひび割れ箇所と写真を見てもらって、軽微な補修で済むのか、地盤が悪いというサインなのかについてアドバイスをもらいます。
次に注目するべきなのは壁のひび割れです。
壁のひび割れは雨漏れに直結する可能性が高いので、わかりにくいですが見落としがないように良く見ておきたいチェック項目です。
壁のひび割れが見つかったら、図面にひび割れ箇所をメモして写真を撮影し、購入判断前にリフォーム会社・工務店に相談してください。
壁・基礎ではないのですが、同じひび割れで要チェックなのはバルコニーです。
バルコニーの防水層が切れてしまうとそこから雨漏れになります。
ただ、バルコニーのチェック項目はわかりにくいので、内見時は目に見えておかしなひび割れがないかの確認に留めて、購入手続きが進んだ際にリフォーム会社・工務店に見てもらうのが良いでしょう。
インスペクションの確認項目でもあるので、インスペクションを利用するのが一番です。
※軽微であってもひび割れが見られた建物を購入する場合はインスペクションの実施が必須です。
第1位 天井の雨染み
戸建て住宅を内見する際にチェックしたいことTOP3の第3位は「天井の雨染み」です。
冒頭に記載した通り内見は実際に住む姿をイメージして確認を行うので、なかなか天井に目が行きません。
天井の雨染みは雨漏れが発生した証拠なので、内見の際には忘れずにチェックしたいです。
天井の雨染みを発見したら、雨染み箇所を図面にメモして写真を撮影し、リフォーム会社・工務店に相談してください。
また、売主側の仲介会社を通じて、いつ頃発生した雨染みなのか、雨漏れの補修を行ったのかなど詳細をヒアリングする必要があります。
特に注意が必要なのはバルコニー下に居室がある場合です。
バルコニーの劣化が原因で雨漏れした場合、直下にある居室に影響します。
雨漏れの改修工事は思った以上に大規模な工事が必要となる場合があるので、天井の雨染みは建物の劣化を示す重要なサインだと判断してください。
番外編 天窓のある家はメンテナンスにお金がかかると判断する
雨漏れの話題になったので天窓について説明します。
都市部の住宅だと採光のために天窓が設置されている住宅は珍しくないのですが、この天窓が要注意です。
天窓箇所を原因とする雨漏れ事故が本当に多いからです。
天窓は斜め(水平に近い場合も)に設置されるものなので、垂直に設置される窓に比べて防水の負荷がかかります。
採光のために設置するものなので、当然日が良く当たり、コーキング材が劣化しやすい環境にあります。
つまり天窓は普通の窓に比べて頻繁にコーキングの打ち直しなどの対策が必要となります。
問題は設置個所です。
天窓は通常屋根に設置されるので、防水対策のために屋根にアクセスしなければなりません。
バルコニーから梯子で上がれればまだ良いのですが(必ずプロに任せてください!)、屋根へのアクセスのために足場を組まなければならない場合、余計にお金がかかります。
屋根の耐用年数よりコーキングの耐用年数の方が短いので、屋根補修のついでだけでは足りず、天窓のメンテナンスだけのために足場も含めて余計にお金をかけなければなりません。
※足場代は結構するので、結果的に放置されて、雨漏りの原因になるケースが多いようです。
天窓がある物件は、天窓が必要なほど日当たりが悪い土地だということと、メンテナンスにものすごくお金がかかる物件だということを承知で購入判断する必要があります。
以上、戸建て住宅を内見する際にチェックしたいことを3つご紹介しました。
本来であれば内見に同行している仲介会社がチェックしてくれれば良いのですが、建物の性能に関する判断は建築士の分野なので、仲介会社の立場では気軽に指摘できるものでもないことを留意しておいてください。
中古住宅購入にはリフォームが付きものなので、買いたい物件が絞られたら、リフォーム会社にも物件を見てもらうようにお願いするのが安心だと言えます。