業界人でも要注意です、「仮登記」の物件!
◆D-LINE不動産 不動産豆知識2021年 『江東区・墨田区・中央区・港区』
購入を検討している不動産に「差押」の登記が入っている場合、その取引は一般的に「任意売却案件」と呼ばれます。
そもそも差押登記とは、売主に何か返済すべき借金等がありしかもその返済が滞ったため、債権者が待てなくなり強制的に取り立てを開始した、という状況を意味します。
多くあるのは、住宅ローンの返済が滞ったケースや固定資産税や住民税、相続税などの税金の支払が滞ったケースです。
こうしたケースでも返済期限を少し経過したぐらいではすぐには差押とはなりません。
差押登記まで行っているということは、返済期限が過ぎてしまい、何度か督促を受けたうえでそれでも支払ができなかった、ということを意味します。
売主の資産状況や信用状況に非常に問題があるケースですので取引を慎重に進める必要があります。
任意売却案件における注意事項
任意売却案件を進めるうえでは、いくつか注意すべきポイントがあります。
1.清算すべき債権を確認する。
差押の理由となった未払いの借金について、借主・金額・返済方法などを確認します。
借金は住宅ローンなのか、税金なのか。
元金がいくらで利息・延滞金がいくらか。
支払方法は振込みか持参か、などを確認します。
あわせて、管理費・修繕積立金や固定資産税の未払い、住民税の滞納などもないかの確認も必要です。
2.新たな差押が入らないか。
売主の信用状況に不安がある場合には、ある程度定期的に登記を確認する必要があります。
取引の直前になって別の差押登記が追加されてしまう、といった事態も想定されます。
取引状況のタイムリーな監視が必要です。
価格交渉は難しい
任意売却案件の場合には、債権者への借金返済がメインの理由になるので売買価格の決定権が売主にはありません。
債権者の「〇〇万円以上で売ってくれいないと困る」という最低ラインが決められてしまっているのです。
借金の返済ができないと差押登記を抹消することができないので不動産を購入することができません。
価格交渉についてはあまり期待しないようにしましょう。
あわせて注意したいのが、購入までのスピード感です。
差押えが入っている物件は、時間が経つと競売手続きに進んでしまいます。
そうすると通常の売買契約で購入することはできません。
裁判所を通した競売手続きになってしまいます。
住宅ローンの利用についても支障が出てしまうケースがありますのでもし任意売却物件を検討候補とする場合には、物件調査から契約手続きまでをスムーズに進めていくことが必要です。
物件選びは、物件の見た目と価格だけでは判断しきれない要素が多々あります。
住宅購入は人生の中でとても大きな買い物です。慎重にご検討下さい。