コロナ禍での住宅ローン困窮、一方、新規の住宅ローンが急増中!
◆D-LINE不動産 不動産豆知識2021年 『江東区・墨田区・中央区・港区
住宅ローンの返済に困窮する人が増えているようです。金融機関から返済猶予などの救済を受けた人は5万人を超え、東日本大震災の際の5倍に達しています。新型コロナウイルスの影響で収入が減り、困窮される方が増えています。そのような報道番組も最近では増えています。そのような状況を見て、不動産業界では任意売却案件が増えると思いきや、住宅ローンの数年の支払い猶予等で、問題の先送りをしているケースも目立ちます。
■住宅ローンの支払いに困ったら「任意売却」という選択肢もあります!
ちなみに任意売却とは、住宅ローン等の借入金が返済できなくなった場合、売却後も住宅ローンが残ってしまう不動産を金融機関の合意を得て売却する方法です。
住宅ローンを滞納、延滞すると、債務者がローンを分割で返済する権利が失われてしまい、お金を貸した金融機関は残っている住宅ローンの全額を一括で返済することを要求する事が出来ます。残債務を一括で返済できない場合、金融機関は担保となっている自宅を強制的に売却し、その売却代金から貸したお金を回収する事ができます。
一般的に所有する不動産を売却する場合、もしその不動産に抵当権が設定されていましたら売却時に債権者へ借入金を全額返済して抵当権を解除してもらわなければなりません。しかし、売却代金で全額の返済ができない場合、不足分を自己資金で補えない場合でも抵当権の解除を承諾してもらい売却することを任意売却と言います。つまり売却後も借入金が一部残ってしまう売却方法を指しますが、強制的に売却させられる競売よりも、高値売却が実現できるケースが多いです。
■コロナ禍で住宅ローンの返済に苦しむ方が増えています・・・。
コロナ禍で住宅ローンの返済が難しくなり、金融機関の救済を受けた人は2020年3~12月累計で少なくとも5万人を超えるようです。単純比較はできないが、東日本大震災の被災3県(岩手、宮城、福島)の銀行などでの住宅ローンの救済件数は発生後3年強で1万件程度だったとの事ですので、新型コロナウイルスの影響がどれだけ大きいかが判ります。
救済の中身は半年から1年程度、毎月の返済を利息だけにする「元金据え置き」が多く、金利などの条件によっては、毎月の返済額は数分の一に減り、返済能力が戻るまでの猶予策にすぎません。
■新規で住宅ローンを組まれる方は増え、不動産市場は動いている?!
現在、新規ローンの融資額は伸び続け、一部の住宅価格はバブル期以来の水準に達しています。日銀によると、20年末の家計の住宅ローン残高は約220兆円と前年比で約6.2兆円も増加しているようです。現在は返済困窮者の増加と新規ローンの膨張が同時に進む状態になっています。現在の不動産市況は、首都圏を中心に販売できる不動産が減っている状況もあり、典型的な売却案件不足により、当面は好条件の住宅価格は上昇し、そのような状況でも不動産購入は進んでいくものと考えられます。
コロナ禍でテレワークも進み、不動産との付き合い方を見直されるシーンも増えていると思います。ぜひ、今後の参考にお役立て下さい。