民法改正の大きなポイント、「配偶者居住権」!

◆D-LINE不動産 不動産豆知識2020年 『江東区・墨田区・中央区・港区』

令和2年の民法改正により創設された制度の一つが「配偶者居住権」というものです。

これは、相続が発生した場合に、配偶者は自宅にそのまま住み続けることができる、という権利です。

その内容や手続きの方法を解説します。

「争続」を回避するための配偶者居住権

「配偶者居住権」とは、前述のとおり、相続した場合にも、配偶者はそのまま自宅に住み続けることができる、という権利です。

もしご主人が相続した場合で、残された財産が自宅不動産のみだった場合を想定します。

法律では特に遺言書などがなかった場合、配偶者の相続分が2分の1、子供の相続分が2分の1と規定されています。

たいていの家では、奥様がそのまま自宅に住み続ければ良いということになりますが、中には親族間の関係が悪く、子供が取り分2分の1を主張するというケースもあります。

また、ご主人が再婚している場合などで、お子様と後妻さんとの話し合い、といったケースも揉めることがあります。

財産が不動産しかない場合には、分割することができません。

こうしたケースを回避する方法が「配偶者居住権」の設定です。

不動産自体はお子様に相続させるけれど配偶者が生きている間はそのまま居住することができるという設計が可能になりました。

不動産の持ち主としての「所有権」と、利用者としての「利用権」を分離させたというものです。

「配偶者居住権」の設定方法

この配偶者居住権を設定するには、「遺言書」を作成して指定するか、相続が発生した後に相続人全員での話し合い「遺産分割協議」を行う必要があります。

争続回避、という視点からは、後者の方法は選択肢になりえません。

生前にしっかりと遺言書を作成し、配偶者の方の終の棲家を確保してあげる手当が必要です。

不動産をお持ちの方は、資産の7割以上を不動産が占めてしまう、というケースが多いとされています。

不動産は分割のしにくさが一つのネックとなってしまいます。

不動産を購入された方は、残された方のためにぜひ遺言書の作成もご検討ください。