古い住宅の耐震補強工事て 意味があるの❓

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古い住宅の耐震化

先日お問い合わせがあった事例です。住宅の耐震化の難しさを改めて実感しました。
まず築何年であろうとも自宅の耐震化は必要です。

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日本は地震大国なので万が一でも倒壊しない耐震性能を確保することは非常に重要です。
さてお問い合わせの事例です。
築50年、床面積50m2に満たない木造戸建て住宅を現金で購入される場合で、耐震改修を行うメリットはあるのか?という相談でした。
現金購入であり、建物の広さから住宅ローン減税などの恩恵は受けられません。
慌てて耐震改修を行うよりも、旧耐震物件なので、自治体の耐震改修の補助を受けた方がメリットは大きいかもしれません。

 

改修費用の問題

お問い合わせで感じた違和感は、地震に備えて耐震改修ではなく、金銭的なメリットを得るための耐震改修だったということです。
国・自治体による耐震改修の補助は様々ありますが、自己負担を伴うため、耐震改修を実施して得することはあまりありません。
(住宅ローン減税など例外もあります)
地震が来た時の損失を考えると、耐震改修を行った方が良いと言えるのですが、やっかいなのは地震はいつ来るかわからない、という点です。

いつ来るかわからない地震被害より、目先の改修費用の方が具体的なので躊躇してしまうようです。
中古住宅購入時に耐震改修を行うのが最も良いタイミングだと思うのですが、今回のお問い合わせのように、既に購入する物件を決めてしまって、資金計画も固まった状態から耐震改修を検討するのは、所有している人が耐震改修を行うのとあまり変わりありません。
物件購入にあたって耐震診断で改修費用を算定し、耐震改修費用も含めて住宅ローンを検討しないと改修費用の問題をクリアすることができません。
中古戸建てを購入する場合は、耐震改修にお金がかかるという前提で取引を進める必要があります。

 

家族が命を失うリスク

最後に防災の話をします。
防災では被害にあうことを前提に物事を判断することが大切です。
今回のテーマは耐震なので、もし大きな地震が発生したら、といろいろ検討し準備を行います。
地震防災を考える時に注意が必要なのが、多くの方が「自宅は大丈夫」と根拠なく想定してしまうことです。

従って地震防災と聞くと、避難グッズの準備を真っ先に思い浮かべてしまうのです。
(家具の転倒防止を思いつく人もいますが、これも家が倒壊しないことが前提となっています)
大地震のリスクは家屋が倒壊して資産を失うことではありません。
家屋が倒壊するということは、地震によって家族が命を失うリスクを負うということです。だから住宅の耐震化は絶対に必要なのです。

日本の法律では住宅の耐震化は義務ではありません。
ということは家屋の責任を家主が負うということです。
万が一の時のやり場のない怒りと後悔に苛まれることを考えれば、耐震改修コストをどうやって捻出するかという問題は、それほど重要でない、解決の可能性がたくさんある、そんな程度の問題だと思います。

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