中古物件では瑕疵担保責任は有る?無い?

「瑕疵担保責任」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?中古に限らず新築でも住宅を購入する際に非常に重要な契約上の事項なのですが、初めて聞く方も多いのではないでしょうか?

さらにこの瑕疵担保責任は中古の場合、新築とは少し違う契約になることもあり更に複雑になっています。そこで、今回は瑕疵担保責任についてご紹介していきます。

瑕疵担保責任とは?

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まず、そもそも瑕疵担保責任とはどのようなものなのでしょうか?

法律上では瑕疵担保責任とは「売買契約で、売ったものに欠陥があって目的を達することができない場合には、契約を取り消すことができる。あるいは、取り消しができない場合は、買主は売主に損害賠償を請求できる」ものとされています。

通常、服でも電化製品でも何か物を買う時には返品制度というものがあることが多いです。これは例えば破れていた服だった、物を買ったら壊れていたという時に売主が責任を持って新しい商品を交換したり、返金をしたりするという商売上の習慣から出来上がった制度です。

この制度の住宅版が瑕疵担保責任と言えるでしょう。家を返品するということではないのですが、もし購入した家に欠陥が見つかった際には売主の責任となり、修理代を売主が負担してその欠陥を直すということになるのです。

瑕疵担保責任には期限がある?

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ただし、瑕疵担保責任をその物を買主が所有している間、ずっと売主が責任を持つということになると売主にとって非常に負担となります。何年も経ってから故障して瑕疵担保責任を問われても元々欠陥があったのか使用してるうちに故障したのかわかりませんし、ずっと売主に責任がつくと売主のリスクが大きすぎるのです。

そこで、この瑕疵担保責任には期限を設けています。例えば、服の返品は一度も着ていない状態で破けていたり汚れていたりという場合のみ責任を負うとしている場合が多いです。

家はどうでしょうか?一般的に新築の場合は不動産会社や建築会社が責任を持つことになりますが、だいたい2年と設定している会社が多いです。これは売主が不動産会社の場合は2年以上の期間を設けることが決められているので、その一番短い期間に設定することが多いのです。

つまり、購入後2年以内にもし欠陥が見つかったり、故障が起きた場合には不動産会社や建築会社といった売主に瑕疵担保責任を求めることができるのです。

瑕疵担保責任はどのように主張する?

では、瑕疵担保責任はどのように主張すれば良いのでしょうか?

まず、主張できる期間ですは法律で決められており、住宅に欠陥が見つかってから1年以内であれば損害賠償を求めることができるとされています。この間に契約を解除したり、損害賠償を求めることができるのです。

しかし、せっかく購入した家を契約解除してまた引越ししてという方は多くはありません。通常は欠陥部分を補修・修理するのが一般的です。その場合は、建築会社や不動産会社に連絡をすることになります。

普通の会社であれば、瑕疵担保責任のことは当然知ってますので、期間内であれば無料で修理を手配してくれるでしょう。

中古物件では瑕疵担保責任がつかない?

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瑕疵担保責任について理解したところで本題です。中古物件では瑕疵担保責任はつかないのでしょうか?

結論から言うと瑕疵担保責任は付いている住宅が多いです。しかし、色々な条件が出てくるのです。

瑕疵担保責任を求められる期間が短い

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売主が不動産会社の場合は住宅を販売することを目的として事業を行なっているので住宅の専門家です。なので、当然のように欠陥がないことを前提に制度を作りますし、プロとしての責任も負うので2年という期間が設けられています。

しかし、中古住宅の場合は売主が不動産会社ではないケースが多いです。不動産会社は仲介をしており、実際に売買契約を結ぶのは個人同士ということが多いのです。

この場合、専門業者である不動産会社と同じ期間に設定すると売主に対してリスクが大きくあまり売ろうとしないことが予想されます。

なので、売主が個人の場合は家の引き渡しから1〜3ヶ月後に設定されていることが多いです。これは期間としてはかなり短くなっていますよね。住んですぐに見つからなければ修理や補修は買主が負担することになるのです。

重要事項の説明時に必ず説明される

この瑕疵担保責任の期間や取り決めについては契約上必ず明記されています。この契約については契約前に重要事項ということで必ず説明されています。住んでからの安心の為にも必ず確認しておきましょう。

瑕疵担保責任免責とは?

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また、中古住宅の場合は「瑕疵担保責任免責」というのが付けられている場合もあります。これは売主が瑕疵担保責任を負いませんよという条件を付けて販売していることです。かなり築年数が経っている家などはこの免責事項が付きやすいです。

この瑕疵担保責任免責の場合は契約後から全て売主の責任になるので、契約前にチェックしておくことが重要なのです。

ホームインスペクションを活用しよう

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引渡し後1〜3ヶ月後に欠陥を見つけたら修理してもらえるといっても、みなさん引渡し後に欠陥を見つけることができるでしょうか?

雨漏りしているなどわかりやすければ良いのですが、そんなに簡単に素人が欠陥を見つけられるものではありません。そこで、ホームインスペクションというサービスを利用すると良いでしょう。

ホームインスペクションとは第三者の住宅専門家がその家に欠陥がないかどうかなどをチェックしてくれる住宅診断サービスのことです。内容によって5〜15万円ほどで行なっている会社が多いです。

このホームインスペクションは出来れば契約前、引渡し前に行うことがベストです。しかし、契約ギリギリまで売主が住んでいる場合など契約前にはホームインスペクションを出来ない場合もあります。その時には瑕疵担保責任が適用される期間内に行なって主張することが重要になるのです。

既存住宅瑕疵保険とは?

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また、ホームインスペクションを行うとオプションで「既存住宅瑕疵保険」をつけることもできます。これは、欠陥などが見つかった場合にホームインスペクションを行なった会社が責任を持ちますよという約束を交わすことです。

例えば、「最大5年間で1000万円の補修工事の費用を保険で補てん」と決めているケースもあり、瑕疵担保責任免責の住宅の場合でもこの保険を利用すれば安心して住むことが出来るでしょう。

また、築年数が古い家ではこの既存住宅瑕疵保険が住宅ローン減税を受けるための条件となる場合もあります。事前に不動産会社などに確認した上で、ホームインスペクションや既存住宅瑕疵保険を上手に活用してください。

中古物件購入においての注意点

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ここまで「瑕疵担保責任」についてご紹介してきましたが、他にも中古物件の購入に関して気をつけなければならない点がいくつかあります。

内覧は必ず自分で行おう

瑕疵担保責任があるからといって、一度も住宅を見ずに購入することは止めましょう。当たり前ですが欠陥がある場合は自分が住む前に工事を行なった方がスムーズに進みますし、欠陥ではなくても自分がリフォームしたい箇所が出てくるはずです。

中古物件は大抵の場合、内覧が可能となっています。欠陥はもちろんですが、自分がこれから住んでいく家なので間取りや設備のチェックも含めて家をチェックしておきましょう。

築年数が古い家は要注意

築年数が古くなるとその分、価格も安くなっていることが多く魅力に映ります。また、築年数が古くてもしっかりとしており、リフォームしなくても十分に住める家があるのも事実です。

しかし、このような古い家こそ瑕疵担保責任免責がついていたり、特約事項がついていたりするので、重要事項のチェックは必ず欠かさないようにしてください。また、住宅ローンを組む時に資産価値が低く見積もられてしまうと、融資額が少なくなってしまう場合もあるので、金融機関とも相談するようにしましょう。

まとめ

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今回は中古住宅における瑕疵担保責任についてご紹介してきました。

注意点はありますが、中古住宅はそれ以上に魅力のある物件です。きちんと理解して注意をした上で、賢く購入するようにしてください。